なかなか勤め人は書評を書きづらいタイトルだなぁ

最近は長いタイトルが流行っているようですが、この本のタイトル「そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか」もえらく長いです。タイトルの書き方も高橋メソッド風です。また「この本を読んでいる=会社を辞めようと思っている」という流れで、勤め人は書評を書くのが憚られるタイトルだと思います。しかし売れている本のようなので、やはりタイトルの訴求力と内容が勝っているのでしょう。長いので「そろ辞め」と略称で呼ばれているようです。最初に書いておきますが、この本はビジネスのプロフィットモデルを考える上でとても役立ち、勉強になる良い内容だと思います。まだまだ勤め続ける気が満々の人にも新規ビジネスの利益の出し方を考える場合に、読んでおいて損は無いと感じました。

中では5つの領域から収益を得るパターン(プロフィットモデル)を紹介しています。その5つとは、

  • 顧客
  • 商品
  • 課金の仕方
  • 支払い方法
  • 資源

で、これを現実の様々な規模の会社やプロジェクトを例に実際に解説しています。グリー、丸井、ディズニーランド、進研ゼミ、AKB48(その他6つ)などバリエーションもあって面白いです。たとえば「受け手と払い手が異なるビジネスモデルの事業は多くあり、学習塾も、生徒ではなく父兄が真の顧客ですよね。」というような視点で見られるようになります。

「どういう儲け方=プロフィットモデルにするかによって、その裏側の利益というものが全然違ってくる」という指摘は、前述のような5つの組み合わせで見ると、無限のバリエーションがあり素直に納得できます。ビジネスマンなら特定のビジネスの仕組みを想像するのは、多分普段から行っている楽しい頭の体操のひとつなのではないでしょうか。そんな人にはオススメの本です。またもちろんビジネスを新しく始めようとしている人にも、そのビジネスの構造を客観的に分析するのに便利なツールになると思います。

それ以外にも独立から起業した経験を元にしたノウハウなども記載されています。「ステージは自分が変えるのではありません。他人の検証が重要なのです。」とか「これは本当のことですが、独立してやっぱり食えなかった、という人には僕は会ったことがありません。」ということばも、背中を押してくれるでしょう。この表紙はちょっと大っぴらには買い難いので、書店よりもアマゾンなどの通販の方が売れている本かもしれないと思いました。極めて勝手な想像ですけど。

そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか

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