再度やりたくなるような体験にしたい

先週の日曜日に6ヶ月の「みんなのことば」サイトリニューアルのプロボノプロジェクトが完了したので、ホットなうちに感じたことを自分の覚え書きとして書いておこうと思います。サービスグラントさんでのプロボノは2010年にPM、2011年にAD、そして今回2012-2013年にPMと三回目の参加になります。1回の経験では、特殊な例もあるだろうし、PMだけの経験だと客観視もし難いので、今が一番一般化してまとめ易い時期ではないかと思いました。ちょっとこのタイトルはおこがましい気もするが残しておこうと思います。

プロボノについては嵯峨さんの本も出ているのでそちらにお任せするとして、スキルボランティアをするという人は、本業が忙しくても同じ仕事をボランティアで行うという人たちなので、全員モチベーションは最初から高いです。もちろんその高さは色々だけど、指示待ちの人等いない状況のプロジェクト管理だということ、これを最初に認識する必要があります。普通の会社のプロジェクトで、この環境を作るのは簡単ではありません。目的がはっきりしていて、全メンバーのモチベーションが高いというプロジェクトはある意味夢のようだし、よほど下手なことをしない限り失敗しないようにも感じます。

このような場合のプロジェクト管理はどうしたら良いのでしょう。今回はたったひとつだけ「極力指示をしない」ということを心がけました。これは自分自身が「命令されるとやる気が極端に失せる」からで、それを出来る限り避けたかったからです。メンバーのスキルは高いことは分かっているので、そのスキルを最大限に出してもらうにはどうするかだけを考えていました。でも指示しないでプロジェクト管理はできるでしょうか。やるべき内容と日時とチェックポイントさえしっかり決めておけば、指示は無くてもプロジェクトは進められます。多分最近のトップダウンではなく、ボトムアップなチームでは、大小の差はあっても、そのようなプロジェクト管理が行われているのではないかと想像します。試行錯誤できる猶予というか余白を残すことが大切です。クリエイティビティを発揮するのは、その余白の部分で、これが無いと、プロジェクト全体がもう一段高いレベルには行けないと思います。最初に想像した通りの物を作っていても、そこに驚きや成長はあまり無いです。

メンバーの方々のベクトルを出来るだけ揃えるのも重要です。プロボノでは参加メンバーのモチベーションには当然のように強弱があります。最初に参加した目的などそれぞれの方の思いを聞いて、なるべくその思いが実現できるようにプロジェクトを進められれば理想的です。

NHKで見たTEDのイタイ・タルガム 「偉大な指揮者に学ぶリーダーシップ」には勇気づけられました。「やっぱりそうなんだ」と思いました。 今の時代に、最初から完璧に時代に合ったものを創造できる人等は皆無に近いでしょう。だからプロジェクトを進めながら試行錯誤を繰り返せる仕組みが必要だし、それに合ったプロジェクト管理の仕方もあるはずです。そこを間違うと、終わった時に「もう二度とやりたくない」というプロジェクトにもなりかねません。「またやる気になるプロジェクト管理」、気をつけるべきはそこでしょう。単発で終わってしまったら、経験の蓄積が活かせず、常にメンバーを補充することが必要になります。それではWin-Winからは遠いでしょう。今回の経験ではそんなことを感じました。

プロボノ―新しい社会貢献新しい働き方

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