スケジュール作成はプロジェクト・デザインというクリエイティブな仕事

第15回 WebSig会議「Webサイト構築のためのプロジェクトマネジメントスキル」に参加しました。すでに2週間も経ってしまいましたが、森田さんの言っていたこのような意味の言葉が印象的でした。僕自身プロジェクト管理をする仕事を、もう随分長い間生業としているのですが、なんかこういう観点で考えたことが無かったなぁと新鮮でもあり、気づかせてもらったことでもあります。言われてみると確かにその通りなのですが、自分が担当していると、なかなかそんな気にはなれないものです。スケジュールを引くのが、クリエイティブな作業だとは思ったこともありませんでした。どちらかというと、あまり考えずにルーチンワークとして引いていたこともあり、かなり反省させられました。

松岡さんも、森田さんもPMの経験がとても豊富ことを話の端々から感じました。普段同じ仕事をしている人の話を聴く経験はなかなか無いので、とても学ぶところの多い内容でした。最初の個人的な興味は「はたしてこのテーマで、どんなことを話すのだろうか」だったのですが、期待以上の充実した内容だったと思います。松岡さんのこなれたプレゼンと、六本木ヒルズやミッドタウンなどの大規模プロジェクトを例にした工夫された展開も、「ああやって具体的にするのか」と勉強になりました。PMを育てるという話題では、同じような悩みを抱えているのは、どこのWeb屋でも同じだろうと思います。現在一線で活躍中の人の多くは、黎明期から自力でWebを学んできた人が多く、誰かから教えられた経験がありません。言わば必要に迫られて叩き上げられたような部分が多いのです。ですから改めて「Webのプロジェクト管理の方法を教える」となると、どこからどう教えたらいいのか、途方に暮れる部分があるのではないでしょうか。一方でプロジェクト管理といっても必要なスキルは多岐に渡るので、多分に職人芸的な部分が多く、「経験から学べ!OJTが一番。」と考えてしまいがちです。これではかなり時間がかかるので、移り変わりの激しいWeb業界の流れには、なかなかマッチしないというジレンマがあります。

なかなかいい解決策は見つかりそうに無いのですが、会議の中でも出ていたようにひとつはシステムでカバーできる部分をカバーするという方法、そしてそのためのフレームワークを整えるというのが、現実的なのではないかと今は思っています。少なくともそれによって、底上げはできるような気がしています。

最後に両氏が紹介された本を以下に一覧にしておきます。

松岡氏:

熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理

森田氏:

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)
リーダーシップの旅  見えないものを見る (光文社新書)
アントレプレナーマネジメント・ブック―MBAで教える成長の戦略的マネジメント
理解の秘密―マジカル・インストラクション (BOOKS IN・FORM Special)
ハンバーガーを待つ3分間の値段―ゲームクリエーターの発想術 (幻冬舎セレクト)

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