そろそろコンテンツも貯まってきたので、Kindleによるダイレクト出版に挑戦してみたいと思います。最初にWordPressからダイレクト出版するためのプラグインを調べてみました。WordPressのコンテンツをダイレクト出版する際に必要な要件は、主に以下の5つです。

  • 取り込むページを選択できること
  • 画像もサイトと同様に挿入されること
  • リンクもそのまま利用できること
  • 文章の修正ができること
  • 文章のリフローに対応できること

あらためてAmazonの「サポートされている電子書籍のファイル形式」を確認してみると、「2021年8月1日以降、リフロー型電子書籍を新しく出版したり、出版済みのリフロー型電子書籍を更新する場合は、MOBI ファイルを利用できません。」となっていて、対応はWordのDOCXファイルかEPUBかKPFのみとなっていました。ですのでプラグインもこのどちらかのフォーマット出力に対応している必要があります。

調べてみるとDOCXからEPUBへの変換は、LibreOfficeやGoogle Docs、MacのPagesで変換できます。無理にEPUBまで変換しなくても、DOCXにできれば編集が可能です。

WordPressからダイレクト出版するプラグインも調べてみると以下の3つが見つかりました。

Print My Blog – Print, PDF, & eBook Converter WordPress Plugin

このプラグインQuick Printですぐに試すことができます。選択画面を確認すると、EPUBへの変換はdotEPUBというサイトを利用しています。動画解説で確認する限り、画像が多いとアップロードの負荷のためか変換できなかったり何かと不便です。そこでPDFに変換することにします。

出力するファイルはタグやカテゴリー名や公開日で絞れるので、一度に出力してからAcrobatでDOCXに変換してWordで編集すれば問題ありません。出力されるファイルは日本語の文字化けも無いですし、画像やリンクもそのまま残ります。画像のサイズを変更できるオプションも気が利いています。これは使い方次第ですが、かなり使えると感じました。

Quick PrintでFormatをDigital PDFに選択

印刷オプションを選択してコンテンツを絞り込み「Prepare Print-Page」ボタンを押すと、コンテンツが一度にまとめて表示されます。

中身を確認して問題無ければ「PRINT TO PDF」ボタンをクリックする
印刷画面が表示されるので、送信先を「PDFに保存」を選択して「保存」ボタンをクリックする

これでPDFファイルが作成できます。Acrobat Pro DCで「ファイル>書き出し形式>Microsoft Word」を選択すればDOCXファイルが作成できます。あとはWordで編集して書籍としての体裁を整えれば完成です。有償でデザインを選択できるPro Printもあります。

MPL-Publisher – Self-publish your book & ebook

こちらもカテゴリーや日付指定などで絞って出力できるようになっています。出力は無料版ではDOCXとEPUBがあり、PDFへの出力は有償のPremium版のみとなっています。

設定画面は直感的で分かりやすい

直接WordのDOCXファイルが書き出せるならと選んでみましたが、「Download eBook」ボタンで出力したファイルを開こうとすると、下記のエラーで開けませんでした。MacのPagesでは開くことはできましたが、ファイルの内容は途中まででした。

DOCXファイルはエラーで開けない

EPUB 3.0を選択して出力してみました。ページ内に6箇所ほど下記のようなエラーがあり、完璧には出力できていませんでした。EPUB 2.0を選択しても同様でした。

ページ内にエラーが出ている

出力されてEPUBのフォントサイズやサイズ感は理想に近く、画像も挿入されているので大変惜しいです。エラーの原因を調べたところ、Amazonへのリンクと表組みでのキャプションでエラーが出ているようです。今後の改善に期待したいと思います。

追記(2021.10.13):エラーに細かく自力で対応すれば、意外と使えるツールだということが分かってきました。詳細は別途書きたいと思います。

BookPress – For Book Authors

サイト自体を本のように見せるためのプラグインです。デモサイトでどんな感じに作成できるかを確認できます。今回のダイレクト出版向きでは無いので、これ以上は調べていません。ページを新たに作成していくようです。

追記(2021.10.13):最上部のリンク先にKindle Package Format (KPF)形式では「注: 日本語の本はサポートされていません。」と書かれているのは、Kindle Createというツールの話だけのようです。Kindle Previewer 3というツールでは、日本語のKPF形式のファイルがエクスポートで保存できます。

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