Canon AUTOBOY TELE6で撮る弥生の風景:感性を磨く道具としてのカメラ
普段、私たちは忙しい日々の中で、身近な物や近所の風景など、当たり前のように目にしているものを意外とじっくり見ていないことが多いと思う。毎日通る道、いつもと同じ景色、見慣れた光景。けれど、実はその中には数え切れないほどの新たな発見や魅力が潜んでいることもある。
そんな日常に新たな気づきをもたらしてくれるのが、朝のフォトウォークだ。朝の静かな時間にカメラを手にすると、少しずつ世界が違って見えてくる。単なる朝の散歩とは異なり、フォトウォークでは被写体を意識して探すため、自然と周囲に対する観察力や感受性が高まる。道端に咲く小さな花の色彩、朝日が照らし出す建物の影や光、風に揺れる木々の動きなど、いつもの景色が違ったものに見えてくる。
感性というものは、筋肉や意欲と同じように、意識的に使い、磨かなければ徐々に衰えてしまう性質があるようだ。忙しさに追われ、日々の生活で感動や気づきを見逃してしまうと、感性は少しずつ鈍くなってしまう。逆に、少しでも意識して感性を働かせるように努めれば、日常はより豊かなるだろう。
そう考えると、感性を磨くための道具として、カメラほど手軽で誰にでも使いやすく、ハードルが低いものはない。写真を撮る行為自体には特別な知識や技術は必ずしも必要としない。手軽なスマートフォンのカメラから本格的な一眼レフ機まで、どんな機材でも、身の回りの美しい瞬間を捉えることはできる。写真を撮ろうとするその瞬間から、目の前に広がる世界を注意深く観察し、味わうことを始める。そんなふうにして、カメラを持つこと自体が、感性を磨く一歩になるのだと思う。



