Rollei A110で撮る睦月の風景:カメラは思い出と直結している
僕が久しぶりにカメラを始めようと思った理由は単純に「孫が撮りたい」からだ。2023年11月10日にLEICA TL2をAmazonで購入してから、カメラ沼とレンズ沼にどっぷり浸かって現在に至る。最初の頃は「映画みたいな動画を撮りたい」という気持ちが強くあったので、アナモフィックレンズや各種フィルターなどを購入して試していた。そのうちレンズが欲しくなったが、LEICAのレンズは高くて買えないので、TTArtisanなどの安価なレンズをいくつか購入して試した。
そのうち安くてもパナライカならLEICAのレンズが買えるということで、Lumixの機種を何台か購入した。それにともなってツァイスのレンズも使ってみたくなり、さらにコンデジが増えた。段々に各メーカーの機種も気になり始め、中古といってもなるべく新しい各メーカーの機種を揃えた。さらに海外メーカーのメジャーなレンズも安価で試してみたくなり、PENTAX Q10を購入して、CマウントやDマウントのレンズで気になるものを一通り集めてみた。それはみんな「やわらかな写り」を求めていたからだ。
スマホがあるのに、なぜカメラを買うのか。その答えはスマホは「画像がパキッとし過ぎている」に尽きる。高周波が強過ぎて疲れるのだ。だからエモい写真が好まれるし、このエモい写真というのは「頭の中の思い出の映像に近い写真」と言い換えられると僕は思っている。自分の頭の中のイメージに近づけようとしたら「パキッとした写真」は方向性が違うのである。そんな写真を見てもそこまで共感はし難い。
コンデジからフィルムへ徐々に興味が移っていったのも、同じ理由からだ。フィルムライクなコンデジを探すなら、フィルムカメラで期待する写真が撮れるものを探す方が早い。コンデジの画素数が上がってどんなに高画素機になっても、そこへは辿り着けない。思い出に近しい写真が欲しいだけなのである。これは完全に好みの問題なので、まったく違うと感じる人もいるだろう。だけど今もフィルムブームが続いているのをみると、そういう人は案外多いのではないかと感じる。



