ええっ!何でやり直しなの?
往々にしてこんなことがWeb構築プロジェクトでは起きます。ここには様々な原因があります。クライアントとプロジェクトの窓口となっている担当者との、コミュニケーションミスであればことは単純です。そうではなくて、クライアントがOKでもその上司がダメ出しをしていたり、さらに上の役員レベルでリセットになったりということもあります。コーポレートサイトなどの場合は、サイト自体が会社の顔となるので、このようなことが起きるのも、客観的に見れば分かります。ですが担当しているメンバーにとっては、今まで積み上げてきたものが一気に崩されるのですから、大きいな負担となることは避けられません。
そこでこのようなことが起きないためにも、何かの「よりどころ」が欲しいわけです。何か形としてクライアントとの間で文書を残しておき、プロジェクトがブレたら、そこへ立ち戻る必要があります。このためのよりどころとするのがクリエイティブブリーフです。もちろんプロジェクトによっては、基本計画書のような形でまとめている場合もあるでしょう。ですがまとまった計画書の形にしてしまうと、細かな部分まで読み込んで理解されているかどうかは甚だ疑問です。もっと分かり易く一読で理解できるようなツールが必要です。
Starbucksのマーケティングのシニアバイスプレジデントとして1995年から1998年まで在籍し、その前はナイキで”Just Do It”などの広告キャンペーンを手掛けたScott Bedburyの”A New Brand World: Eight Principles for Achieving Brand Leadership in the Twenty-First Century (English Edition)“にA great creative brief has three attributes, It is …
- Concise–No more than two pages, one if you’re really good.
- Tight–Containing two separete focused statements, of where the business (or category) and the brand are today and where they must be tomorrow in order to achieve success.
- Loose–Let them figure out how to get there.
と書かれています。クライアントとクリエイティブチームの共通言語としては、やはりこの1ページにまとめられたクリエイティブブリーフが実際に役に立つのです。2と3は相反しているように見えますが、2の部分はきっちり作り、その道筋は実際に実行する人たちが細かく決められるように方向性として大枠で捉えるということのようです。
外資系の広告代理店などでは、このクリエイティブブリーフに必ずクライアントからサインをもらってから、クリエイティブを開始するというのが常態です。日本ではそこまでするのは難しいにしても、必ずレビュー期間を設けて、確認してもらったというエビデンスを残すと良いでしょう。それほど重要に扱っていくことが、その後のプロジェクトのブレを最小限にしてくれます。クリエイティブブリーフは、言わば積み上げたプロジェクトを崩さないための耐震装置として機能してくれるのです。